2022.02.26 投稿
2024.05.30 更新
物販の法人化のタイミングとは?メリット・デメリットを紹介
本記事では、物販の法人化について解説をします。
- 物販で法人化するタイミング
- 法人化するメリット・デメリット
- 個人事業主から法人化する流れ
- 自分に法人化が合っているか
物販の法人化について詳しく解説していきますのでぜひ続きを読み進めてみてください。
当メディア(物販ラボ)では1000名以上の方に転売・物販の指導実績があり、こちらの記事はネット販売の経験が8年の経験と知見による内容になっています。
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目次
個人事業主でやっている物販の法人化のタイミングとは?
物販で独立しても、しばらくは個人事業主としてやっていく人が多いでしょう。
しかし、利益が増えてきたら、節税の理由から法人化を考える人は少なくありません。
いったいどのタイミングで法人化したらいいのでしょうか。
法人化はお金も手間もかかるという理由から迷っている人向けに、法人化のタイミング事例を紹介します。
年間利益1,000万円以上が目安
手取り額を多くする理由での法人化なら、年間利益1,000万円以上が目安です。
物販では仕入れが発生するため、利益の額で考えましょう。
たとえば、年間売上が2,000万円でも粗利益25%なら年間利益500万円です。
個人事業主で年間利益500万円では、ここから税金・国保・国民年金の支払い額があるため、手取り額は300万円台になります。
法人化した場合は、年間利益500万円から会社が負担する社会保険料・税金・税理士報酬を引かなければなりません。
結果的に法人では役員報酬額が減るため、同じく手取りは300万円台となりあまり変わりません。
しかし、年間売上4,000万円で粗利益25%年間利益1,000万円の場合は、法人の手取り額が増えるため、法人化の検討余地があるでしょう。
累進課税にデメリットを感じたら
年間利益1,000万円以上で個人事業主の手取り額が減る理由は、個人事業主は累進課税が採用されているからです。
法人の場合は、最大で23.4%の税率です。(令和3年4月1日現在)
しかし、個人事業主は所得が増えるごとに税率がアップする仕組みで、最大45%の税金がかかります。(令和3年9月1日現在)
個人事業主が年間1,000万円の所得があれば、税率は33%です。
所得税だけでも330万円かかり、さらに住民税の支払いもあります。
また年間4,000万円の所得がある場合は、所得税は1,800万円の支払い額です。
個人事業主は所得が増えれば増えるほど支払う税金が高くなってしまうため、少しでも節税したいと考えたら法人化がおすすめです。
利益が増えるなら早めがおすすめ
物販の売上は、翌年にぐっと上昇することがあります。
初年度は数十万円程度の売上でも、翌年に数百万円や数千万円規模の売上を達成することも可能です。
物販は短期間で一気に利益が増える人もいるため、早めに備えておくのもありです。
利益が増えてから法人化を検討しても、その年の売上分はもう遅いでしょう。
早めに法人化しておけば翌年の利益が増えても節税できるため安心です。
物販事業を本格的にしたいとき
物販を本業として真剣に取り組む気持ちがあるなら、早い段階から法人化しましょう。
たとえ節税の意味がなくても、自分のモチベーションアップや責任感を高める理由があるなら、法人化はおすすめです。
法人化すれば、個人事業主から代表取締役へと変化します。
名前の変化だけですが、周りから見られる目が変わるため、経営者としての自覚が高まりやすいでしょう。
自分に甘くなりやすい人でも代表取締役になることで気持ちを引き締めることができます。
このように法人化する理由は、必ずしも節税対策だけではありません。
税金対策よりも、事業の成長を高めていきたいなら、法人化を検討してみてください。
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物販を法人化するメリット・デメリット
法人化するか迷ったら、メリットとデメリットを確認してみましょう。
それぞれの特徴を比較すると、自分に法人化が合っているかわかりやすくなります。
メリット
物販を法人化すると、税金面で有利です。
また、事業を拡大していくつもりなら、法人化をおすすめします。
税金対策になる
年間利益が増えてきたら、税金面で法人化が有利です。
一般的に、法人化を検討する理由で多いのは、節税効果が高いからでしょう。
個人事業主は所得が増えるごとに税率が高くなりますが、法人なら税率が低くなります。
法人化で実際に節税になるかは、税理士と相談することをおすすめします。
数字としてはっきりと効果を示すことができれば、法人化を検討してみてください。
消費税の免税期間で有利
個人事業主が消費税を納める必要があるのは、2年間の年間売上が1,000万円を超えた場合です。
また、個人事業主として2年間の免税を受けてから法人化すると、さらに2年間の免税期間が得られるため有利です。
法人は2期前の売上が1,000万円を超えたら消費税の納税義務が発生しますが、個人事業主だった期間は含まれません。
個人事業主の2年間の売上が1,000万円を超える際に法人化すれば、合計で4年間の消費税免税期間が受けられることになります。
取引先からの信用を得られやすい
社会では、個人事業主と法人とでは信用の度合いが異なっています。
物販では、法人向けの卸売業者もあるため、法人化すると有利でしょう。
もちろん個人相手に卸してくれるところもありますが、法人相手と比べると値下げ率が低くなりやすいという問題があります。
法人向けだと値下げ交渉をしやすいのは、仕入れ量が多くなりやすいからです。
取引先も商売としてやっている以上、利益を多く得られる取引先を有利にするのは当然のことです。
法人化すれば、今まで話も聞いてくれなかった取引先も交渉に応じてくれる可能性があります。
スタッフの給与や保険料を経費にできる
法人化すれば、従業員の給与・保険料を経費にできるため有利でしょう。
経費が増えればそれだけ利益が少なくなり、支払う税金も減ります。
また、福利厚生を経費にできれば、従業員を集めやすくなるメリットもあります。
アルバイトやパートをするなら、誰でも待遇が良い会社で働きたいでしょう。
法人化することで経費にできる割合が増えて、良い人材を雇いやすくなります。
デメリット
個人事業主から法人化を検討しても、費用の面で断念してしまうケースがあります。
法人化すると最初にまとまった費用がかかるため考慮しておいてください。
また、月々にかかる経費も増えやすいため、場合によっては手取り収入が少なくなるかもしれません。
法人化にお金がかかる
法人化するには登記が必要で、登記費用がかかっていまいます。
登記にかかる費用は、登録免許税で最低でも15万円は必要です。
また、会社設立には定款作成費用や、公証人役場で承認を受ける費用もかかります。
定款は電子定款と紙の定款の2種類がありますが、電子定款でも登記と合わせて合計で20万円前後、紙の定款では合計で25万円は用意しなければなりません。
数十万円かかる費用はそれほど多くありませんが、会社設立ともなると印鑑の作成や資本金の用意も必要となります。
資本金は1円から可能ですが、あまりにも低すぎると取引の面で影響するかもしれません。
経理が複雑で税理士の費用がかかる
個人事業主は自分で経理をやり、自分で確定申告することも可能です。
しかし、法人化すると従業員の年金や保険なども考慮する必要が出てくるため、経理が複雑になり、自分でやるのは難しくなるでしょう。
さらに労働関連の法律など膨大な知識も必要になってきます。
法人化すれば、新たに簿記の知識がある人を雇う必要性が出てくるでしょう。
外部に委託するとしても、税理士など専門家に依頼しなければなりません。
これらのコストが毎月かかってくるため、個人事業主と比べて出費が多くなると考えておいてください。
個人事業主から法人化の流れ
会社の設立は司法書士に依頼するのが一般的ですが、自分でも簡単に法人化の流れを把握しておくといいでしょう。
節税やビジネスの拡大目的で法人化すると決めたら、3つのステップに沿って進めていってください。
法務局に申請する
個人事業主から法人化する場合は、法務局へ登記することになります。
まずは登記に必要となる会社の基本事項を決めましょう。
• 会社名
• 事業内容
• 本店住所
• 役員構成
• 資本金
会社名は、個人事業主で使っていた屋号をそのまま引き継ぐ方法があります。
また、法人化する際に新たな会社名に変更しても構いません。
すでにショップがあるなら、事業内容・本店住所はそのままの情報で大丈夫です。
ただし、自宅をオフィスにしていた場合は、法人化する際に新たなオフィスを借りることも検討してください。
とくに賃貸住宅では、管理規約で事業用に使えないケースがあります。
1人で登記する場合は、役員構成も1人になります。
資本金は1円からでも可能ですが、合理的な金額にするため税理士など専門家と相談して決めるようにしてください。
さらに、印鑑・必要書類や定款を揃えたら、法務局へ登記申請します。
申請は司法書士や行政書士に依頼するのが一般的です。
登記が完了したら、登記事項証明書と印鑑証明書を取得しておいてください。
法人名に変更する
法務局での登記が完了したら、さまざまな名義を法人名に変更します。
名義を変更しておきたいのは、水道光熱費や通信費などの契約類です。
個人事業主の名前のまま使用してしまうと、経費として計上する場合に注意が必要です。
会社名でないと経費にできない問題はありませんが、経理が面倒となるため早めに手続きすることをおすすめします。
面倒だからとそのままにしてしまえば、税務署からの指摘でペナルティの恐れもあります。
余分な税金を支払わないためにも、法人化したら早めに電気・水道・ガスなどの名義変更を済ませてください。
また、法人化したら、個人事業主廃業届・法人設立届書など税務署へ届け出るものがいくつかあります。
ほかにも、雇用関係では、年金事務所・労働基準監督署への届け出も必要です。
資産を移行する
法人化しても、個人事業主の売掛金はそのまま個人事業主として扱ってください。
会社設立後に新たに発生した売掛金や経費などは法人口座で扱いましょう。
また、法人化すると個人事業主のときの資産移行手続きも必要です。
物販の場合は、在庫を法人に引継ぎましょう。
引継ぎは、個人から法人へ売ったという扱いになります。
資産の移行では、いくらで売るのか決めなければなりません。
金額は適当に決めてよいわけではなく、妥当な譲渡価格を設定するようにしてください。
あまりにも低い金額だと、税務署から節税対策だと指摘される恐れがあります。
メリットを感じたら物販の法人化をしよう
物販で利益が大きくなったら、法人化を検討してみましょう。
多くのケースでは、節税の意味で法人化を検討しています。
どのくらいの利益で法人化すべきか異なるため、詳しくは税理士に相談してください。
物販の場合は、利益が大きくなることがあるため、法人化もひとつの方法です。
ビジネスの拡大を考えているなら、節税や信用アップのため、法人化を検討してみてはどうでしょうか。
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