2020.03.22 投稿
2024.03.06 更新
個人輸入ビジネスの関税とは?関税がかからない方法やいくらから必要か、関税の計算方法を徹底解説
個人輸入の関税の基礎計算方法について解説をします。
輸入ビジネスを始めるにあたって、多くの初心者が初めにぶち当たる大きな壁が『関税』です。
関税については一見難しそうですが、この記事を読んでいただければ輸入ビジネスを行う上での関税の知識を十分に身につけることができるので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
関税とは?
そもそも関税とは日本に商品を輸入するときにかかる税金のことです。関税の目的は税政収入といって国が使用する目的と国内産業の保護という2つの目的があります。
要するに関税で日本国内の産業を守っているのです。
実際に税関でかかる3種類の経費
海外から輸入した商品が日本に到着した際、税関では関税・消費税・通関手数料の3種類の経費が請求されます。
①関税
課税価格に対して関税が課されます。税率は輸入目的や商品・国により細かく定められています。詳しくは税関ホームページの輸入統計品目表(実行関税率表)を参考にしましょう。
②消費税
商品の購入価格に対して8%かかります。
③通関手数料
課税対象とされた場合、1商品ごとに200円かかります。これらの支払いは基本的に、商品が手元に届いた時に、配送者に渡すことになります。
関税が課される輸入目的別の課税価格
実際の関税額は、購入した商品代金ではなく「課税価格」を元に算出されます。また、課税価格の求め方は、個人利用目的・商用目的で異なっているので注意が必要です。ここからは、以下2パターンの課税価格の求め方について詳しく解説します。
- 個人使用目的の場合の課税価格
- 商用目的の場合の課税価格
輸入した商品をご自身で使う場合は、個人使用目的に該当します。販売目的で輸入する場合は、商用目的の項目をご確認ください。個人輸入には避けては通れない関税なので、必ず確認しておきましょう。
①個人使用目的の場合の課税価格
個人使用目的と認められると、商用目的と比べて課税価格が低く設定されます。納める税金が少なくなるため、個人輸入する方にとってはありがたい制度です。税関ホームページには以下のように記載があります。
個人の方がご自身の個人的使用の目的で輸入する貨物の課税価格は、海外小売価格に0.6を掛けた金額となります。
引用元:税関「少額輸入貨物の簡易税率」
わかりやすく数式で表すと、次のようになります。計算に必要なのは商品本体料金のみです。
課税価格 = (商品本体料金 × 0.6)
例えば、3万円の商品を個人輸入した場合、関税がかかるのは課税価格の1万8,000円分のみです。課税価格に関税率を乗じた金額が、実際に支払う関税額になります。基になる課税価格を抑えられるのは、個人使用目的ならではの特例です。
②商用目的の場合の課税価格
商用目的の場合、個人使用目的と比べて多くの関税を支払わなければなりません。輸入ビジネスにおいて必要経費だと捉え、請求された関税をきちんと支払ってください。商用目的の課税価格を、税関ホームページで確認してみましょう。
その他の貨物の課税価格は、商品の価格に運送費および保険料を足した金額になります。
引用元:税関「少額輸入貨物の簡易税率」
個人使用目的では必要なかった送料や保険料も、課税価格に含まれます。わかりやすく計算式で確認しましょう。
課税価格 = 商品本体料金 + 送料 + 保険料
商品代金ではなく送料や保険料を含めた金額に、関税が課せられます。送料や保険料は購入先のサイトや代行業者によって異なるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。前もって関税額を把握できれば安心です。
個人輸入した際に課される税率
以上のように計算した課税価格に税率をかけることで、実際に払う関税を計算していきます。
実際に払う関税の額 = 課税価格 × 税率
そして、この税率は課税価格の大きさと商品の種類・輸入する国によって異なります。
①課税価格が1万円以下の場合
関税は必ず必要なわけではなく、金額によっては関税が免除になります。税金を支払わなくていいボーダーラインは、課税価格が1万円以下です。
課税価格が1万円以下の貨物の場合、原則として、関税、消費税および地方消費税は免除されます。
引用元:税関「少額輸入貨物の簡易税率」
課税価格が1万円以下なら、関税額・消費税は免除されます。ただし、商品の種類によっては1万円以下でも税金が発生する場合があります。個人使用の課税価格の考え方も交えて、引き続き詳しく解説します。
個人使用目的なら商品代が16,666円までは関税がかからない
先述した通り、個人使用目的の場合、課税価格は商品代金に0.6をかけたものです。課税価格が1万円以下になるのがいくらなのか、計算してみましょう。
商品代16,666円 × 60% = 9,999.6円
商品代金が「1万6,666円」以下なら、課税価格が1万円以下となるため関税も消費税もかかりません。税金なしで個人輸入したい場合は、この金額を意識して購入しましょう。ギリギリのラインだと、為替レートの影響で超えてしまうかもしれないので注意してください。
商品の種類によっては免税にならないものもある
購入した商品の種類によっては、1万6,666円以下でも税金を支払う必要があります。主に嗜好品は、輸入する金額に関わらず税金が発生するので注意しましょう。税関ホームページの情報で詳しく確認します。
ただし、酒税およびたばこ税・たばこ特別消費税は免除になりません。また、革製のバッグ、パンスト・タイツ、手袋・履物、スキー靴、ニット製衣類等は個人的な使用に供されるギフトとして居住者に贈られたものである場合を除き、課税価格が1万円以下であっても関税等は免除されません。
引用元:税関「少額輸入貨物の簡易税率」
このように、酒税およびたばこ税は免税ルールがありません。また、革製品においては、プレゼントとして贈られたもの以外は関税がかかります。革製品は関税率が高く設定されており、思わぬ出費に繋がる可能性もあるので気をつけてください。
まとめて購入する場合は商品代を足して課税価格を算出する
ここまで読んで、課税価格が1万円以下、つまり個人利用目的なら1万6,666円以下の注文の場合に関税がかからないことがわかりました。ここで「商品を分けて輸入すれば関税が回避できるのでは?」と思う方もいるでしょう。
税関ホームページには、分けて配送された荷物の取り扱いについて、以下のように記載がありました。
(2)郵便物については、1つの包装に梱包された輸入貨物の課税価格の合計額が1万円以下のもの
ただし、同一差出人から同一名宛人に、同一時期に分散して郵送されたもの等(例えば、郵便物の重量制限により分割して郵送されたもの)は、当該分割されたすべての郵便物の課税価格を合計したものになります。
基本的には、課税価格は1箱単位でカウントされます。しかし、同じタイミングで複数個が一緒に配送されると、合計した金額になるのです。そのため、課税価格の考え方は以下の計算式になります。
課税価格 = (商品Aの料金 + 商品Bの料金) × 0.6
例えば、1万円の商品を2つ、別送で注文したと仮定します。同時期・同一差出人・同一名宛人であれば、一緒とみなされることに。そのため、課税価格は「2万円 × 0.6 = 1万2,000円」になるため、関税は免除になりません。分散させて関税を回避したい場合は、時期をずらす・購入先を変えるなど工夫が必要です。
詳しくはこちらの記事にすべて書いてあるので、分けて個人輸入する方は必ず読んでください。
・(関連)個人輸入を分けて注文すると関税はかからない?関税の決め方や計算方法、支払方法、注意点を徹底解説!
②課税価格が20万円以下の場合
課税価格が20万円以下の場合は簡易税率が適用され、以下の表のように簡単的に税率が分けらます。個人で輸入ビジネスを行う際には、1取引での商品額が20万円を超えることはそこまで多くありません。なので基本的にこの税率を適用させましょう。
トマトソース、氷菓、なめした毛皮(ドロップスキン)、毛皮製品 等 | 20% |
コーヒー、茶(紅茶を除く)、なめした毛皮(ドロップスキンを除く) 等 | 15% |
衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く) 等 | 10% |
プラスチック製品、ガラス製品、卑金属(銅、アルミニウム等)製品、家具、玩具 等 | 3% |
ゴム、紙、陶磁製品、鉄鋼製品、すず製品 | 無税 |
その他のもの | 5% |
また以下の商品は、例外的に簡易税率の範囲内でも一般税率が適用されます。(関係のある商品のみ書いていきます)
- タバコ(約 35%)
- 旅行用具・ハンドバックなどの革製品(ものによって異なるが高い)
- ニット製の衣類(約2.8~8.4%)
- 履物(約30%)
※詳細はこちらの税関ホームページを参考にしてください。
③課税価格が20万円以上の場合
課税価格が20万円以上の場合は、一般の税率が適用されます。一般税率はかなり細かく細分化されているので、詳しい税率はこちらを税関ホームページを参考にするようにしましょう。
中国輸入における関税の見積もり
ただ関税は実際に商品を手元に引いてくるまで、わからないもの。
なので仕入れの時はある程度関税の予想をして、見積もりを立てていきたいのですが、僕の経験則上、関税の割合は輸入消費税の8%と関税が5%程度で、13%を見積もりで見ておけばほぼ間違いないです。
関税の具体的な計算方法
ここで2個ほど例を挙げて実際に税関でかかる費用を計算していきます。
・テーブル
まず1つめはこちらのテーブルを紹介していきます。
本体料金 29,100円、送料 8,531円となります。この商品が【個人用】として判断された場合、以下のように税金は計算されます。
課税価格
29,100円 × 0.6 = 17,460円
関税(税率は課税価格が20万円以下なので、簡易税率表から家具で計算)
17,460円 × 0.03 = 523円
税関で取られる金額(関税+消費税+通関手数料)
523円 + 17,460円 × 0.08 + 200円 = 2,119円
以上のようになり、2,119円が請求されます。
・壁掛け時計
2つめに壁掛け時計を見ていきます。
本体料金8,037円、送料2,213円となります。こちらも【個人用】を判断された場合の、以下のように計算していきます。
課税価格
8,037円 × 0.6 = 4,822円
この段階で、課税価格が1万円以下なので関税はかかりません。
個人輸入した商品にかかる関税の支払方法
関税の求め方について理解できました。個人利用かつ課税価格が1万円以下の場合を除き、基本的には関税が発生します。ここからは、スムーズに関税を支払うために、具体的な支払方法について解説します。関税の支払方法は、以下の2パターンで異なります。
- 20万円以下の場合
- 20万円以上の場合
各パターンの支払方法を確認していきましょう。
①個人輸入品の課税価格が20万円以下の場合
課税価格が20万円以下の関税支払方法は、以下の2つの条件を元に、さらに分けられます。ご自分の該当する項目を確認してください。
- 税額が1万円以下または30万円以下で名宛人が配達依頼をする場合
- 上記以外の場合
知らない単語が登場して混乱すると思いますが、わかりやすく解説するのでご覧ください。
税額が1万円以下または30万円以下で名宛人が配達依頼をする場合
名宛人とは、簡単に言うと税金を支払う人のことです。商品代金に含み通販サイト側が支払う場合もありますが、基本的には購入者本人を指します。個人輸入する多くのケースは、こちらの条件に該当するでしょう。税関ホームページで詳細を確認しましょう。
関税など税金の合計額が1万円以下の場合、あるいは1万円を超え30万円以下で名宛人が配達を希望する場合は、税関から日本郵便株式会社を経由して「国際郵便物課税通知書」及び「納付書(払込金受領証を兼ねます。以下同じ。)」とともに、品物が直接配達されますので、税金の納付を日本郵便株式会社に委託する旨を申し出て、税金相当額及び日本郵便株式会社の取扱手数料を支払えば、その場で品物を受け取ることができます。
個人輸入するほとんどのケースでは、日本郵便を経由して関税を支払う流れです。具体的には、商品受け取り時に、直接配達員に現金で支払うことになります。支払えないと商品は受け取れないので、前もって現金を用意しておきましょう。
上記以外の場合
課税価格20万円以下で上記条件に該当しない場合、配達員を通して支払うことはできません。銀行または郵便局に出向き、関税を支払う必要があります。
課税通知書に記載された郵便局へ行き、納付書の交付を受け、税金を銀行の窓口又は郵便局の貯金窓口で納付すれば、品物を受け取ることができます。なお、別途、日本郵便株式会社の取扱手数料を支払う必要があります。
送付されてくる「国際郵便物課税通知書」の記載の郵便局で関税を納めましょう。なお、日本郵便の通関手数料は200円です。関税を納付しないと荷物を受け取ることはできません。
②個人輸入品の課税価格が20万円以上の場合
ビジネス目的で大量の荷物を輸入する場合や高価な品の場合は、課税価格が20万円を超えてくるかもしれません。支払う関税も多くなるため、申告納税方式が適用となり、ご自身で申告する必要があります。
外国から一般の貨物や課税価格が20万円を超える郵便物(郵便物の場合は、寄贈物品などを除きます。)を輸入する場合は、貨物の品名、数量、課税標準、税額等を輸入者自ら申告していただく必要があります。(申告納税方式)
本人が個人で申告することもできますが、通関業者に依頼することが一般的です。提出した申告書は税関によってチェックされ、問題なければ納付する流れです。関税の支払方法は、以下の4パターンから選択できます。
- 銀行窓口
- ゆうちょ銀行窓口
- マルチペイメントネットワーク
- リアルタイム口座振替方式(ダイレクト方式)
窓口へ行けない場合は、マルチペイメントネットワーク(Pay-easy)を使えば、いつでもスマホやPCから支払いができます。ダイレクト方式は、あらかじめ口座を登録している人が使えるものです。定期的に関税の支払いが発生する人に適している方法です。
個人輸入ビジネスの関税のまとめ
関税についてはわかりにくい点もあるのですが、こちらの3つだけ押さえておきましょう。
- 税関では、関税・輸入消費税・通関手数料の3種類が請求される。
- 関税は商用輸入と個人用輸入の2種類がある。
- 商用の関税は次の通り。(商品代金+送料+保険料)×税率
関税に関しては以上の知識があれば十分なので、関税で困った場合には、ぜひこの記事を見直してみてください。
今回のように物販についての情報を物販ラボでは届けしてるので、興味のある方は下記の「ネット販売のスタートマニュアル」を受け取ってください。
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