2021.07.05 投稿
2024.05.23 更新
田舎で起業する女性が増えている理由とは!?主婦の一人起業のおすすめ!!
田舎で主婦の方が起業する方法について解説をします。
この記事では
- 主婦の方が田舎で起業する時のメリット
- 主婦の方が田舎で起業する時のデメリットや考えておきたい注意点
- 起業時の資金調達方法
- さまざまな補助金、助成金の制度や内容
など田舎で主婦の方が起業する方法について紹介しているので、ぜひ続きを読み進めてみてください。
当メディア(物販ラボ)では1000名以上の方に転売・物販の指導実績があり、こちらの記事はネット販売の経験が8年の経験と知見による内容になっています。
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中川 瞬のプロフィール
目次
女性が田舎で起業する時のメリット・デメリットについて解説します!
起業や創業というと、昔なら家庭も自分の生活もなげうってビジネスだけに集中するといったイメージがあったかもしれません。
しかし、時代の変化や技術の発達、法制度の変化によって、起業は昔よりもずっと身近になりつつあります。
特に起業をおすすめしたいのが主婦などの女性です。
どうして女性の田舎起業がおすすめなのか、メリットを紹介します。
あわせてデメリットも紹介するのでご確認ください。
メリット1.自分に合った働き方を選べる
時代とともに女性の働き方は変化してきました。
働く女性の中には、もっと仕事をしてキャリアアップしたい、自分が好きなことを仕事にしたいと考える人は多いはずです。
しかし、企業によって女性に対するサポートや待遇は千差万別。
働きたい意欲や出世を目指す気持ちはあっても、会社の風土や制度によってそれが阻まれてしまうことは決して珍しくありません。
また、女性が直面する課題が、出産や育児との両立です。
「働きたいけど出産と育児で迷惑をかけるかも・・・・・・」と考える人がいれば、「今の仕事をやめるわけにはいかないから、出産、育児はまだ無理」と考える人もいるでしょう。
人によって希望する働き方、ライフプランは違いますが、もっと自由に働き方を選びたいと考える人は多いはず。
自分に合う、自由な働き方を選ぶ方法の一つが起業です。
起業して個人事業主や自営業者になれば、自分で自分に合った働き方、暮らしを選ぶことが可能ですし、また同じように考えている女性のために、働きやすい環境を整備することもできます。
フレックスタイムや在宅勤務、テレワーク等、働き方は増えていますが、まだ会社の制度が追い付いていない、制度の活用が認められにくいと悩む人は多いでしょう。
働き方や暮らし方と向き合うことが多い女性こそ、起業に向いている人材であるといえます。
メリット2.女性の視点を生かした事業が可能
女性の視点を活かすと聞くと、どこの会社でも同じようなことを言っているような、使い古された表現に聞こえるかもしれません。
しかし、事実として女性の社会進出に伴って、女性向けの商品やサービスの購買市場は拡大しています。
そのため、女性の感性や気持ちを理解した商品やサービスが、より強く求められるようになりました。
家庭を切り盛りしている主婦の気持ちや、ファッションや美容を楽しみたい女性向けの商品は、同じ経験を持つ女性のほうがわかることが多いはず。
そのため、顧客ニーズに沿った商品やサービスを提供しやすいでしょう。
女性顧客の理解者になる女性は、消費者であり生産者として起業するときにも有利です。
家事と育児、仕事の両立のほか、主婦の悩みや子育ての課題は多くの女性が向き合ってきました。
同じ課題に向き合ってきた女性は、顧客の抱える課題やニーズに沿った提案が可能です。
「こんなサービスがあればいいのにな」、「利便性が高い商品で時短したい」といった気持ちは、そのまま起業のアイデアにつながります。
なかには、こんなに些細な悩みでも事業になるのかと感じてしまうかもしれません。
しかし、同じような悩みを持つ人が多ければそれを解決する商品やサービスは必ず需要があります。
起業という方法は、女性が持つアイデアを形にするためにも有効な手段です。
メリット3.低コストでも起業しやすい
起業するときには、資金の問題は考えなければいけません。
多くの人は働いて自己資金を用意したり、金融機関からの融資を受けたりして資金を用意します。
しかし、勤務先からの退職金や今までの貯金を使っても、なかなか大きな資金調達は困難です。
そんな起業時にかかる資金を節約するには、田舎起業がおすすめ。
田舎は都会よりも家賃や人件費が安いため、起業にかかるコストを節約しやすい点がメリットとなります。
また、起業してからかかる費用として固定費と変動費があり、家賃やテナント料といった固定費は売上に関係なくかかるお金です。
どのくらい利益が出るかわからない起業したての時期には、売上があってもなくてもかかる固定費を減らすことが重要となってきます。
IT系の仕事などパソコンさえあればどこでも働けるようなビジネスであれば、田舎のほうが固定費を節約できるので、安定して利益を出しやすいでしょう。
メリット3.助成金や補助金を使うこともできる
地方や田舎は、起業する人に向けて助成金や補助金を用意していることもあります。
審査がある補助金や助成金は、都会よりも地方、田舎の方が競争率も低くて支援金を獲得しやすい傾向です。
また、新しい会社や店舗を呼び込むために、積極的に起業・創業をサポートしている地方自治体もあります。
金銭的なサポートと、さらに地元の事業主や企業がアドバイス等のサポートを提供している場合もあるでしょう。
これから起業するものの、新しいビジネス、新しい土地に不安がある人にとっても心強い制度です。
メリット4.生活にかかる費用自体が安い
田舎はビジネスだけでなく、生活自体も低コストです。
住居にかかる費用が安いほか、物価も安い傾向があります。
さらに、地元の農家さんとのつながりや直売所があれば、地元の食材を新鮮で安く手に入れることも可能です。
このようにして、食費を抑えて暮らすことができます。
事業を始めたてで、自己資金を事業に使っている場合は、生活も節約が必要かもしれません。
事業にお金を使うため、資金を事業に集中するためにも、生活コストを下げられる田舎は有利です。
メリット5.事業に集中しやすい環境
都会はさまざまな刺激がある点がメリットです。
いろいろな人やアイデアを知ることや、コネクション等が事業につながる可能性もあります。
しかし、それだけに事業だけに集中しにくい環境です。
都会は誘惑が多くてビジネスに集中できず、目移りしてやりたいことがわからなくなってしまうことがあります。
事業に集中して取り組むのであれば、田舎の方が適しているのです。
周囲の雑音が気にならない環境で、商品開発や創作、ビジネスプランの策定に取り組みましょう。
メリット5.女性起業家のつながりを活用できる
女性起業家が増えてきたとはいえ、起業家に占める割合はそこまで多くありません。
そのため、女性起業家同士が意見交換や交流を目的とした、集まりやイベントも開催されています。
女性起業家同士は同じ悩みや課題に直面しているなど、共感する部分も大きいでしょう。
女性起業家同士のつながりから、新しいビジネスがスタートしたり、アドバイスをもらえたりすることもあります。
何も知らない状態から起業した人にとっては、同じ境遇である女性起業家が集まるコミュニティは貴重です。
女性同士のネットワークを持つ機会は、積極的に活用するようにおすすめします。
デメリット1.人口が少ない
田舎最大のデメリットが、人口の少なさです。
人口が少ないことは、消費行動の少なさに直結します。
せっかくパン屋や雑貨店、レストランを開いても、来店する人がいなければ当然利益になりません。
特に薄利多売の商売は、どれだけ多く売るかが勝負を握っています。
人口自体が少ない田舎では、どうしても不利に働くでしょう。
その人口で、提供する商品やサービスがどれだけ人を集められるかを見極めてからスタートするようにしてください。
店舗とネット販売の両方の収益の柱を持つなど工夫して、ビジネスを安定化させましょう。
デメリット2.娯楽が少ない
田舎は都会よりも誘惑が少ない、つまり娯楽が少ないことがあります。
田舎に住むことで、周囲にあるレジャー施設や飲食店といった施設も少なくなってしまうでしょう。
都会でレジャーやエンターテインメント施設になれていた人にとっては、出かけるところがない、つまらないと感じてしまうかもしれません。
最初は問題ないと感じていても、生活しているうちに何もないことに飽きたり、人との交流の少なさにつらくなってしまったりする場合があります。
田舎で暮らす場合には、そのようなリスクも把握して、長く暮らせるかどうかを考えておきましょう。
また、田舎で暮らすこと自体を楽しめるような工夫も重要です。
自然を満喫したり、その土地の楽しみ方を知ったりすることは人生を豊かにします。
娯楽に飢えて田舎が辛いと感じてしまえば、そこでのビジネスも生活も辛いものになってしまいますので、田舎での暮らしをポジティブに受け止めるようにしてください。
新しい人やビジネスが受け入れられない場合も
田舎では、すでにお店や住んでいる人など、つながりができてしまっている場合もあります。
地元の商店街や飲食店といった横のつながりができていると、新しいものが受け入れられないケースもあるでしょう。
そのため、受け入れられるまでに時間をかけて事業をする、商工会などの集まりに積極的に参加するなど、受け入れられるための工夫や努力も欠かせません。
女性が田舎で起業する時の注意点を徹底解説します!
女性の起業には多くのメリットがある一方で、デメリットや注意しておきたいポイントも少なくありません。
田舎で起業するときに、どのような点を注意すればいいのでしょうか。
家事・育児・介護との両立
経済産業省では、起業したいと考える女性をターゲットに情報交換や連携ネットワークを提供しており、その一環として女性起業家向けのアンケートも公表しています。
平成27年度女性起業家等実態調査では、女性起業家だからこそ直面する悩みについても回答が寄せられています。
調査の中で「女性の創業・起業に係る特有の課題」についての回答で、最も多かったのは「家事・育児・介護との両立」という回答でした。
例えば、起業したいと考えて創業関連のセミナーに参加しようとしても、子どもの世話や介護があっては自由に動けません。
また、育児施設や介護施設を利用できないといった事情で悩む人は多いでしょう。
働く女性が増えているといっても、いまだに家事や育児、介護の比重は女性に偏っているのが現実です。
女性起業家が今後より活躍するためには、女性が創業しやすく働きやすい外部環境の拡充は欠かせません。
例えば育児施設の充実や保育時間の延長、利用しやすさ、サービスの拡充は必須です。
介護や育児の施設の拡充は、田舎の方が遅れる傾向があります。
田舎で起業する場合は、育児や介護をサポートできる制度があるのか確認しておきましょう。
くわえて家族の問題として、どのように対応するのか話し合っておくようにおすすめします。
ライフイベントに影響しやすい
一般的に女性の方が結婚や出産、介護といったライフイベントの影響を受けやすくなります。
そのため、起業してもなかなか事業だけに純粋に集中するのは困難です。
すでに結婚や出産していた場合でも、家族の理解が得られないと事業を続けることは難しいでしょう。
実際に平成27年度女性起業家等実態調査では、経営者の産休という事態に支援が足らなかったという意見や、融資を受けることに夫が理解を示さなかったという声が寄せられています。
女性のほうがプライベートと仕事を切り離しにくいため、乗り越えるためには苦労することも多いようです。
ビジネス経験が少ない
起業する女性と男性の違いを見た時に、女性の問題として挙げられるのがビジネス経験の少なさです。
起業時点で知識や情報が少ない人も多く、会社の発展に際して知識不足がネックになってしまうことがあります。
一般的に男性のほうが、組織の中で管理やマネジメントの仕事に就くことが多いでしょう。
そのため人をつかったり、指示をして育成したりするスキルも身についていると考えられます。
一方で、女性の場合は若い段階で起業する人も多く、社会経験や管理経験が少ない状態で起業することもあります。
資金調達の局面でも、事業主が会社での勤務経験があるかどうかが、支援を受ける際の審査にかかわることもあるのです。
社会経験や管理者としての経験が少ないことで、起業してから株式会社にしたい、資金調達をしたいというときに困る可能性があります。
企業組織やビジネスへの理解の少なさは、組織での立ち居振る舞いやスタッフマネジメントにもかかわる課題です。
組織マネジメントの経験の少なさは、ロールモデルとなる女性起業者から学んだり、コーチングを受けたりして補うことも検討しておくと良いでしょう。
経営や財務会計の知識やノウハウ不足
会社員としてビジネスに携わった経験が少ないと、経営や財務会計の知識も不足してしまいます。
男女に関係なく数字に対して苦手意識を持つ人も少なくありません。
起業してから資金繰りに苦労するケースもあるでしょう。
女性に限ったことではありませんが、起業する前には会社経営、財務会計についてあらかじめ勉強しておくようにおすすめします。
また、苦手意識がある場合には、税理士や経営コンサルタントの力を借りることも検討してください。
女性であることで参入しにくい、相談しにくい場合もある
起業・創業者向けのセミナーは決して少なくありません。
田舎であってもセミナーや中小事業者向けの集まりを探すことができるでしょう。
しかし、女性が少数派になってしまうと入っていきにくさ、居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。
もちろん女性起業家への理解がある人々に恵まれるケースも多いでしょう。
それでも女性目線のビジネスや、家事育児と起業の両立に関する悩みは理解されないケース、相談しにくいケースがあります。
女性の入りにくさ、参入しにくさを解消するためにも、女性起業家向けのセミナーは必要とされているのです。
事業規模が小さくなってしまうことも…
女性の中には、趣味のアクセサリー制作や料理から事業につなげる人も少なくありません。
好きなことを仕事にできることで、やりがいや新しいアイデアにもつながるでしょう。
しかし趣味の延長で起業すると、事業規模を大きくしたり、社会の課題解決を目指したりといった発展にはつながらないこともあります。
自分一人で趣味や特技、資格を活かして働くことも選択肢です。
加えて、主婦の場合は扶養控除範囲内で働きたいと考える人も多いでしょう。
人によって求める事業の大きさは違いますが、女性のほうが事業規模が大きくなりにくい、収益性が低い場合もあります。
参考 :女性起業家等実態調査
女性の起業家はどのくらいいるの?
政府は1億総活躍社会を掲げ、2015年には女性活躍推進法が施行されました。
女性にとっては昔よりも働きやすい土壌が制度としては整いつつあります。
では、女性の社会進出が求められるようになった中で、女性の起業家はどのくらいいるのでしょうか。
女性の起業家について調べました。
2020年女性社長の割合は8%
帝国データバンクの調査によると、2020年4月末時点で、女性社長の割合は8%です。
30年前の1990年から3.5ポイント上昇した数字であり、右肩上がりとはいえるものの、前年比では20年ぶりに横ばいでした。
また、増えたとしても8%という数字は全体の1割にもなりません。
さらに中小企業では女性社長の割合が増えていますが、大規模な企業ではあまり変化がないことがわかります。
女性社長のうち、直近の1年間で新しく就任した新任女性社長の年齢分布をみると、最も割合が高いのは「80 歳以上」で12.1%を占めます。次いで「70-74 歳」で11.8%、「65-69 歳」(11.1%)と総じてシニア層の新規就任が目立ちました。
新任女性社長の就任経緯は「創業者」が62.9%でトップ。
「内部昇格」で新任女性社長になる割合は男性よりも低く、社内登用による女性社長は少なめといえるでしょう。
地方での女性社長の割合が多い
女性社長の割合を地域別にみると、もっとも女性社長が多い地域は四国です。
次いで、九州・沖縄、中国地方と西日本で女性社長の割合が多い傾向があります。
県別で最も多いのは、沖縄県で11.3%でした。
沖縄県は2013 年以降 8 年連続で全国首位となっています。
さらに沖縄は、企業の新設が全国と比較して多く、女性が起業するケースが多い土地です。
起業応援相談窓口や女性の起業応援コミュニティが活発に活動していて、女性起業家が多いこともその理由でしょう。
女性起業家のロールモデルが多い土地で起業の相談をしたり、アイデアを人に聞いてもらったりできる場所があることによって新しい起業家が生まれています。
女性が田舎で起業する時の助成金についての話
田舎で起業しようと思い立ったのであれば、まずはどのような助成金や補助金が利用できるか検討しましょう。
初めに助成金や補助金の基礎知識についてまとめました。
起業資金はどのくらい用意すれば良い?
日本政策金融公庫の『2020年度起業と起業意識に関する調査』では、起業者の開業資金と資金調達についても調査をしています。
2020年の 開業費用の平均値は989万円と調査開始以来、最も少ない額でした。
さらに開業費用の分布をみると、「500万円未満」の割合が43.7%と最も高い割合です。
次いで「500万~1,000万円未満」が27.3%でした。
また注目したいのが、「開業時に苦労したこと」という質問です。
複数回答可の質問ですが、開業時に苦労したこととして最も多いのが「資金繰り、資金調達」で55.0%に達しました。
次いで「顧客・販路の開拓」が46.8%です。
さらに、現在苦労していることとしては、「顧客・販路の開拓」が47.3%でトップ。
「資金繰り、資金調達」も30.8%で3番目に多い回答でした。
開業時に用意する資金は昔と比較して減少傾向にはありますが、半数以上の起業家が資金面で苦労したと回答しています。
参考:『2020年度起業と起業意識に関する調査』 日本政策金融公庫 総合研究所
起業資金はどうやって用意するの?
起業時には資金調達が必要になります。
全て自己資金で用意しようとする人もいるかもしれません。
しかし、開業するときは予想外の費用がかかる可能性もあります。
また事業によっては黒字化までに時間がかかって、利益が安定するまでは赤字でも耐えなければならないケースもあるのです。
そのような場合であっても耐えるために、事前に潤沢に開業資金を用意しておいた方が良いでしょう。
せっかく苦労して起業しても、黒字化まで耐えきれずに廃業してしまうケースも珍しくはありません。
起業資金の調達先について調べた日本政策金融公庫の『2020年度起業と起業意識に関する調査』では、資金の調達先は、「金融機関等からの借入」が平均825円となっていて、平均調達額に占める割合は69.1%です。
「自己資金」は平均266万円と圧倒的に少なくなっています。
参考:『2020年度起業と起業意識に関する調査』 日本政策金融公庫
起業をするためにコツコツと何年もかかって自己資金を貯めている人もいるかもしれません。
しかし、自己資金を用意するのに時間がかかってしまえば、ビジネスチャンスを逃したり、他の起業家に先を越されてしまったりすることもあります。
身近な資金調達先になるのが、両親や親類の援助です。
日本政策金融公庫の調査でも、多くの人が両親や配偶者、親類、兄弟のほか、友人、知人等から資金援助を受けたと回答しています。
親類や知り合いからお金を借りる方が、金融機関よりも借りやすいと考える人もいるかもしれません。
信用力が少ない起業したての会社は、金融機関による審査が通過しにくいケースもあります。
しかし、知り合いからお金を借りる場合でも金融機関からの融資でも、いずれは返済する義務があることを忘れてはいけません。
返済期限に追われることになる、せっかく利益が出ても返済に回さなければならなくなって経営を圧迫する、というリスクはあらかじめ考えておかなければならないのです。
金融機関からの融資と補助金、助成金はどちらを使う?
創業企業への融資は多くの金融機関でおこなわれています。
その土地に根付いている信用金庫や地方銀行が創業支援に積極的なケースもあるでしょう。
しかし金融機関から融資を受けた場合、いずれお金を返さなければいけないので、その点を理解して使うようにしてください。
一方で返済不要の支援金が補助金や助成金です。
多くの助成金や補助金は後払いで、支出に対して支給される仕組みとなっています。
それぞれ支給される要件が決まっているので、支給対象になるかどうかチェックしてみてください。
ただし、補助金や助成金の多くは募集期間が決まっていて、複数応募の中から採択されなければ利用できないのに対して、金融機関からの融資は随時受付けていて、一定の要件をクリアできれば利用可能です。
融資といっても、起業家向けに利率が低い融資や柔軟な審査が用意されている場合もあります。
地方自治体が運営されている融資制度もあるので、調べて適した制度を利用しましょう。
そもそも助成金や補助金って何?
起業を考えている人であれば、助成金や補助金という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。
助成金とは、主に厚生労働省が雇用増加や人材育成をするために実施している制度です。
それぞれの助成金によっても条件は違いますが、多くは通年で申請可能で、業種や社員数といった条件を満たせば支給されます。
そのため利用する難易度は比較的低いといえるのです。
ただし、人気の助成金は制度の要項が公表されてから2~3か月で受付を終了する場合もあります。
補助金は主に国や地方自治体が新規事業や、創業促進、さまざまな国策を促進するために実施しています。
国や地方自治体は、予算が決定してから補助金の交付も決定するため、4~5月から公募されることが多い点が特徴です。
予算の関係で補助金の二次公募がおこなわれることもありますが、逆に人気の補助金が期限前に受付終了してしまう場合もあります。
補助金は助成金よりも種類が多くて、支給額も助成金よりも大きい場合が多いでしょう。
また経費の適用範囲が広くて使いやすい点もメリットです。
ただし、人気の補助金は倍率も高いため、申請してももらえないケースも多い点がデメリットとなります。
助成金や補助金を上手に使うにはどうすればいい?
補助金は募集期間も短く、公示されてから準備しても間に合わないケースがあります。
普段から事業計画書を用意して、条件にあう補助金が発表されたらすぐに応募できるように準備しておくことも大切です。
一方で、助成金は事前に情報をチェックしておけば支給される可能性は高いでしょう。
前年度の助成金の内容がそのまま引き継がれることもあるので、事前に準備しておくこともできます。
助成金であっても補助金であっても、日ごろからの準備が大切です。
自分の事業に合った助成金や補助金を探すよりも、提示された助成金や補助金の条件に沿って事業を再設計してください。
補助金や助成金は新しい制度ができたり、逆になくなったりすることもあります。
その時々に合わせて柔軟に対応しましょう。
助成金や補助金を利用するときに注意してほしいのが、多くの場合は後払いの制度だという点です。
つまり、助成金や補助金の支給が決まったとしても直ちに入金されるわけではありません。
資金を受け取るまでの間は、別の資金調達や手持ちの資金での立て替えが必要です。
場合によっては、補助金を担保にして金融機関から融資を受けるといった方法がとられることもあります。
さらに助成金や補助金は、定められた条件を満たして初めて支給されるものもあります。
例えば、正規雇用者を増やしたら助成が受けられるといった場合には、6ヵ月以上雇用しているといった条件を満たさなければいけません。
補助金や助成金は必ずしもスピーディーに資金を用意できる方法ではないのです。
支給を待っていては間に合わないケースもあるので、融資や出資といった他の資金調達と組み合わせて使うようにおすすめします。
女性が起業するときに役立つ助成金や補助金はたくさんあります。
要件を満たすもの、申込資格があるものは積極的に応募してみてください。
女性だと助成金や補助金も違うの?
起業家向けの助成金や補助金は、さまざまな種類があります。
特に女性におすすめしたいのが、女性の起業を応援してくれるサポート制度です。
例えば東京ではありますが、若手・女性リーダー応援プログラム助成事業という、女性か若手男性が新規開業をする場合に、店舗の新装、改装、設備導入等に要する経費の一部を助成する制度があります。
これは女性起業家であれば、年齢に関係なく申請できる助成金。
東京都内での起業を考えている人にとっては強い味方になる制度です。
この助成金以外にも、女性向けに特化したサポート制度や融資制度はたくさんあります。
どのようなものがあるのか調べてみましょう。
助成金や補助金を探すには
補助金や助成金は、これから事業を始めようと考えている人にとって大きな力になります。
しかし、補助金や助成金ごとに募集の条件や要項、期間が違うため、調べるのは大変です。
補助金や助成金を交付する事業は経済産業省や厚生労働省など国の各省庁のほか、地方自治体、民間の財団法人などさまざまな機関で実施されています。
中小企業向けの補助金事業を実施する代表的な省庁が経済産業省です。
経済産業省が実施する補助金の特徴は地域振興や技術開発、新市場創出が対象のものが多く、審査基準も事業の創造性や新規性となることが多い傾向があります。
中小企業向けのサポートとしては厚生労働省もさまざまな事業を実施しており、サポートの多くは従業員の人件費や能力開発を対象としています。
定められた条件を満たす労働者を原則、正社員として雇用しなければならないといった条件をクリアすれば助成金を受けられるものが多いです。
年間を通じて申請可能なものも多く、条件は細かくてもクリアすれば受給できることが多い点が特徴となっています。
農林漁業に関する事業や、食品製造や流通といった食品産業の振興に関してのビジネスであれば農林水産省系のサポート、建設・建築のほか交通関連、物流、まちづくりなど幅広い分野なら国土交通省系の補助金や助成金が受けられることもあります。
省庁が実施している補助金や助成金は、その事業ごとに相性があるので、適した補助金や助成金を探してみましょう。
さらに国以外の都道府県や市町村でも補助金や助成金事業をおこなっています。
国と連携して行われているものも多くありますが、土地特有の課題の解決を目指すものもたくさんあるのです。
都道府県や地方自治体の補助金や助成金は、対象者がその地域に限られるので、比較的競争率が低い点がメリットといえます。
各都道府県や政令指定都市には中小企業を支援する施設があり、市区町村の産業振興課では補助金や助成金の受給を相談できることが多いです。
競争率が高い国単位の補助金や助成金ばかりではなく、身近な行政機関の窓口も利用してください。
補助金や助成金を調べてみよう
助成金や補助金はさまざまな種類があり、その数も膨大です。
関係する省庁や地方公共団体のホームページを一つ一つ確認していては、手間も時間もかかってしまいます。
助成金や補助金の情報を調べるには、専用のポータルサイトも使ってみましょう。
公益財団法人助成財団センター
公益財団法人助成財団センターは、民間の財団活動の情報を収集し、提供しています。
これは民間の財団法人が作った、基金や助成制度をまとめたホームページです。
国や地方自治体だけでなく、数多くの民間財団法人が基金や助成制度を設けています。
個人の研究者や特定非営利活動法人(NPO)といった中小企業でなくても対象となるものも多く、各財団の設立目的に沿って実施されているのです。
研究開発を支援するもののほか、国際交流やボランティアなど内容は多岐にわたっているので、自社のビジネスに適したものがないか調べるにも、公益財団法人助成財団センターのホームページが便利。
どのような助成金募集があるのか、また締め切り日や金額等もまとめてチェックできるので、こまめに目を通してください。
ミラサポplus
経済産業省の中小企業庁が提供しているミラサポplusも、中小企業向けの補助金総合支援サイトです。
以前はミラサポという名前でしたが、令和3年4月にミラサポplusに移行しました。
ミラサポplusが目指すのは、中小企業事業者・小規模事業者に中小企業支援施策や制度を「知ってもらう」ことと、さらに「使ってもらう」ことです。
制度の中には利用できるシーンは多いものの内容がわかりにくいもの、申請方法が難しいものもあります。
ミラサポplusでは、目的に合わせてどのような制度があるのか検索可能。
さらに企業のサポートに関する申請方法や経営相談についても実施しています。
支援者、支援機関の紹介もしているので、これからビジネスを始める人にとっては心強いでしょう。
人気の制度を見るほか、困っていることを選んで適した支援制度を探す機能もあり、「販路開拓」や「資金繰り」、「起業・創業」といった項目から制度を検索できます。
ミラサポplusに会員登録しておけば、マイページでパーソナライズされたおすすめ情報をチェックしたり、記事をお気に入り登録したりできます。
さらに、補助金の電子申請のサポートが受けられ、e-Taxや過去に電子申請したシステムからデータを外部連携できるので、データを転記したり、再利用したりするにも便利です。
入力された財務情報から診断チャートを表示して、支援機関とのコミュニケーションや補助金申請に役立つ、現状分析シートを作成・管理可能。
起業前からも起業してからも、ミラサポplusは心強いパートナーとして活用できるでしょう。
主婦が田舎起業するときに知っておきたい助成金制度
これから起業する人におすすめしたい助成金制度を紹介します。
制度の詳細は募集要項を確認してください。
両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)
両立支援等助成金は、従業員の育児や介護両立をしやすくする、離職を防ぐための制度の導入や、女性の活躍推進のための取り組みを行う事業者を支援する制度です。
両立支援等助成金には、「出生時両立支援コース」や「介護離職防止支援コース」、「育児休業等支援コース」などいくつかのコースが用意されています。
その中でも女性活躍を推進する「女性活躍加速化コース」は、職業生活と家庭生活の両立、女性の活躍推進に取り組む事業主を応援しているのです。
女性活躍に対する数値目標を設定して、目標達成のための取り組み内容を盛り込んだ行動計画を策定、「取組目標」を達成した事業主と「数値目標」を達成した事業主に対して助成金を支給する仕組みになっています。
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)とは、中小企業と都道府県の公共団体・金融機関等が共同出資している地域に特化した官民ファンドです。
中小企業と都道府県は、地域中小企業応援ファンドに出資します。
地域貢献性が高い新事業に取り組む中小企業者の対象事業がファンド運営会社に採択されれば、そのファンド運用益から資金の助成を受ける仕組みです。
地域中小企業応援ファンドは、地域中小企業応援ファンドと農商工連携型地域中小企業応援ファンドの2種類があります。
地域中小企業応援ファンドの特徴は、各地の農林水産物や伝統技術を活用した商品開発や販路開拓を支援している点です。
農商工連携型地域中小企業応援ファンドは、中小企業者と農林漁業者が協力する商品開発・販路開拓の取り組みを支援しています。
どちらも研究や商品開発、マーケティングにかかる費用が助成対象になり、返済不要。
複数年にわたって資金を助成するファンドもあります。
その地域の伝統工芸品や、農産品を活用したビジネスを考えている事業者は、ぜひ活用していただきたい制度です。
主婦が田舎起業するときに知っておきたい補助金制度
これから起業する人におすすめしたい補助金の制度を紹介します。
制度の詳細や支給額は募集要項を確認してください。
ものづくり補助金
ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。
中小企業による生産性向上に資する革新的サービスの開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援しています。
ものづくり補助金を活用した事例としては、カフェで食べられるクッキー生地の食器を開発した事例、補助金を活用して容器製造機械を導入した事例や、農家が
産品の果物を密閉冷凍するための急速冷凍機を導入して、販路を拡大した事例があります。
ものづくり補助金は、一般型とグローバル展開型に分かれていて、それぞれ補助率と補助額が決まっています。
しかし、ものづくり補助金は応募件数も多くて人気が高い補助金制度です。
採択率は、年度によって違いますが30%~40%で、採択されないケースも珍しくありません。
ものづくり補助金を活用するときには、その制度の趣旨を踏まえて、課題意識をもって事業計画書を策定してください。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、商工会議所または商工会の管轄地域内で事業を営んでいる小規模事業者を対象にした補助金。
働き方改革や賃上げのように、小規模事業者が解決すべき課題に取り組むときの費用を補助してくれる制度です。
小規模事業者持続化補助金の補助上限額は50万円(税別)で、補助対象経費の2/3以内と定められています。
つまり、経費の見積もりとしては75万円(税別)までが対象です。
小規模事業者持続化補助金の対象になる小規模事業者とは、商業やサービス業(宿泊・娯楽業除く)であれば、常時使用する従業員数が5人以下。
製造業とサービス業のうち、宿泊業、娯楽業の場合には、常時使用する従業員数が20人以下です。
補助対象になる経費は機械装置等費や、広報費のほか、旅費や外注費、開発費など13種類。
例えばECサイトを立ち上げた場合には広報費、またPOSレジシステムを導入した場合には、機械装置等費に該当します。
小規模事業者持続化補助金は多種多様な場面で使うことができ、年に数回募集があるため使いやすい制度です。
補助金を受けるには、経営計画書と補助事業計画書を作成して、地域の商工会で補助事業者の要件を満たしているかの確認を受けるとともに、事業支援計画書等の作成・交付を依頼しなければいけません。
都道府県商工会連合会(補助金事務局)へ申請書類一式を送って、さらに実績報告書等の提出をおこないます。
締め切りがあるので、スケジュールを確認しながら進めるようにしてください。
主婦が田舎起業するときに知っておきたい融資制度
これから起業する人におすすめしたい融資制度を紹介します。
融資制度の詳細や支給額は募集要項を確認してください。
女性、若者/シニア起業家支援資金
女性、若者/シニア起業家支援資金は、女性または35歳未満か、55歳以上の方であって事業を開始してからおおむね7年以内の人が利用できる融資制度です。
女性、若者/シニア起業家支援資金は国民生活事業と中小企業事業に分けられます。
資金の融資限度額は、国民生活事業では7,200万円(うち運転資金4,800万円)。
中小企業事業であれば設備資金(開業費等資産計上される資金を含む)および長期運転資金で、融資限度額は直接貸付なら7億2千万円(うち運転資金2億5千万円)、代理貸付 1億2千万円です。
融資なので当然金利はかかりますが、融資の内容によっては特別利率で金利優遇が受けられます。
例えば、技術・ノウハウ等に新規性がみられる事業であって、一定の製品化及び売上が見込めるものに係る資金で、土地にかかる資金を除く部分は特別利率で安く融資可能。
返済期限は設備資金で20年以内、運転資金は7年以内で、うち据置期間は2年以内です。
もともと女性や若者、シニアは融資審査が厳しくなりがちです。
そこで、融資での資金調達に悩む人々のために生まれたのがこの制度。
女性、若者/シニア起業家支援資金は日本政策金融公庫の融資制度なので、利用したい場合には窓口で相談してみてください。
新創業融資制度
新創業融資制度は、日本政策金融公庫の創業者向け融資制度です。
この制度は、年齢や性別に制限がありません。
女性の田舎起業のほか、新しく事業をスタートした人、今後起業しようとしている人であればだれでも利用できる制度です。
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象にしています。
新創業融資制度は無担保無保証で融資可能で、融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)。
担保に入れるものがない、できるだけ低金利で資金を調達したい人には適した制度です。
まとめ
女性起業家への社会からの関心は高まっていて、女性向けの起業サポートも需要を増しています。
一口に女性起業家といっても、置かれている環境や目指しているビジョンによって必要なサポートは違うでしょう。
女性起業家向けのサポートとしては、補助金や助成金のほかに、地方でのセミナーも開催されています。
田舎だから起業なんて無理、主婦だから時間が取れないというのは思い込みです。
社会の要請である保育施設の充実や子育て、介護支援の充実は、女性起業家にとってもメリットが大きいので、ビジネスプランの策定とともに、資金面、環境面で安心して事業に集中できる環境を構築しましょう。
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